食事で良く噛まずに早食いをする事で肥満になりやすく、血液中のブドウ糖濃度が上がり、満腹中枢がそれに反応して満腹感を知らせますが、ブドウ糖の濃度が上昇するには、ある程度の時間が要ります。早食いの場合、満腹感が得られる前に多くの食事をとってしまい摂取エネルギー量が多くなる為、肥満になると言われています。
メタボリック症候群を発症する割合で早食いをする人11.6%で、ゆっくり食べる人は2.3%、普通の人の6.5%よりも高く、体重の増加、血糖値の上昇、腹囲の増加にも関連しています。
日本肥満学会より一口30回噛むことが推奨されています。咀嚼(そしゃく:よく噛む)には、満腹中枢を刺激して、食欲を抑える働きがありますが、さらにゆっくりよく噛んで食べることで、食後のエネルギー消費量である「食事誘発性体熱産生(食後安静にしていても栄養素の消化・吸収による代謝によって使われるエネルギー消費量)」が増加します。よく噛んでゆっくり食事をすることは、エネルギー摂取量の抑制とエネルギー消費量アップの2つの効果が期待出来ます。
他にも様々な効果が得られます。
○脳の発達
よく噛むことは脳細胞の働きを活発化。
あごの開閉で、 脳に酸素と栄養を送り、活性化します。
子どもの知育を助け、 高齢者は認知症の予防にも役立ちます。
○味覚の発達
よく噛むとで食べ物本来の味がわかります。
人は濃い味にはすぐに慣れてしまうので出来るだけ薄味にし、よく噛んで食材そのものの持ち味を味わうよう心掛けましょう。
○歯の病気を防ぐ
よく噛むと唾液が沢山出て細菌感染を防いだりして、虫歯や歯周病を防ぎます。
○胃腸の働きを促進する
よく噛むと消化酵素が沢山出て、消化吸収を助けてくれますが、食べ物がきちんと咀嚼されないと、胃腸障害の原因にもなります。